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たかどのほうこさんと言えば『まあちゃんのながいかみ』や『へんてこもりにいこうよ』などのユーモラスな絵本・幼年童話作品がまず最初に思い浮かびますが、高学年向けには違ったタイプの作品を書かれていることをご存知でしょうか。幼年童話のエネルギーが爆発するような作品と同じ人が書いたとは思えないほど印象の異なる作品に、読んだ方はきっと驚かれるに違いありません。これらの思春期の少女の心に寄り添った作品は、恐らくちょうどその頃にであった人は忘れられない物語として記憶の中に残っていることでしょう。この3作品は以前リブリオ出版から出ていて(一部はその他の出版社でも刊行されました)、その後しばらく絶版になっていました。それが今度、福音館書店からまとめて復刊になったというのは、とても嬉しいことです!読書の秋にピッタリの長編物語を、どうぞお楽しみください。

『十一月の扉』 高楼方子作/福音館書店/1800円+税
『時計坂の家』高楼方子作/千葉史子絵/福音館書店/1900円+税
『ココの詩(うた)』高楼方子作/千葉史子絵/福音館書店/2200円+税
→「この物語を初めて読んだ時の衝撃は忘れられない。なんだかわけのわからないものに心が支配され、かき乱されて、12歳の私はあんまりびっくりしてしばらく動けなかった。――漫画家 はるな檸檬」(『ココの詩』オビより)