「君の名前は?」
でおなじみ、ハーバード大学のサンデル教授がまたまた来日されました!

白熱教室で哲学ブームを巻きおこし
『これからの「正義」の話をしよう』(早川文庫)は大ベストセラー街道をひた走り
社会現象にまでなった講義は、日本の大学の授業にも変化をもたらしたいいます。

そんなかっこいいサンデル先生の新刊
「それをお金で買いますか 市場主義の限界」(早川書房)にあわせての来日です。
そして久しぶりの生(なま)講義。
5月28日は国際フォーラムで5000人集めての大ディベートが行われました。
ので、和書部のボルネオ男と馳せ参じた次第です。

一昨年のアカデミーヒルズ講義の時の約10倍ものヒトビトがひしめいております。
QUEENのWembleyライブとまではいきませんが
(わたくしはWembleyに行ったわけではないです、orz)壮観です。
入場の際に配られたパンフは単なるパンフではなく、
表裏が赤白になっていて、二者択一の質問が出されたとき
自分はこちらを選ぶという意思表示を<赤><白>で広げて示す、というシステムです。
それをサンデル先生が見て(紅白歌合戦っぽく)会場内の2つの意見の割合をざっと判断するってことですね。

本日のテーマは『ここから、はじまる、民主主義の逆襲』
逆襲ですよ、逆襲!いいですね~、ちょっとメタルはいってるかんじがします。(メタルなサンデル♪)
早川書房の早川浩社長のナイスな英語スピーチのあと、いよいよプロフェッサー・サンデル登場!
大拍手のなか、スマートにサンデル先生が舞台に現れました。
いやぁ、相変わらずスカッとしてイカシてます!
「やあ、やあ。私が来たからにはもう大丈夫。」っぽいです。

今回の講義はeテレで放送されるので内容はここには記しませんが
(すでにマスコミで報道されているので以下はOK)
「レディ・ガガのライブチケットのダフ屋行為は許せるか」
「自分の住む町が財政難で企業に命名権を売るとしたら」
などの予期せぬ問いかけに、みんなは脳を熱くして考えます。

5000人いれば5000通りの考えがある。
まったく知らない人の意見を聞く、というのはほんとにおもしろいね。
こういった場で自分の考えを発言するとき、それなりの覚悟が試されている気がする。
テーマと質問の意図をきっちり把握し自分の中で整理して
それを正確に相手に伝えるためには
どういった表現で、どれくらいのスピードで発言するのが適切か。
他の人の意見をどう捉えてそこからまたどう広げていくか。
途中でずれてしまったり、暴走しそうになったりと
それも話し合っていくうえのおもしろさです。

サンデル先生からのいちばん最初の質問は
「震災後に被災地に募金をした人」でした。
<YES>の意思表示の「赤」で会場中が真っ赤になったのは日本人の良心の賜物。!
この講義の定員5000人に対して10000人の応募あったそうです。
3時間半の長丁場をみんなで考えて話し合った夜。
政治家が「国民の意見を聞きますよ」なんていう場じゃなくて
誰でもが本音を発言できる光景があたりまえな日々になることを祈って。

BS1 6月8日(金)午後11時~翌0時50分
「マイケル・サンデル 究極の選択 
オリンピック・正義と不正義を分けるもの」

eテレ 6月16、23日(土)
「マイケル・サンデル 5千人の白熱教室(仮)」

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「それをお金で買いますか 市場主義の限界」 2200円
「これからの<正義>の話をしよう」 945円
「ハーバード白熱教室講義録㊤㊦」各735円
いずれもマイケル・サンデル著 早川書房刊 (税込価格)