『8年前、みさおおばあちゃんは一匹の子猫と出会いました。
おばあちゃんは、
「福の神様が来て、全てが丸く治まるように」と
願いを込めて「ふくまる」と名付けました。』
これは、みさおおばあちゃんとふくまるの、あたりまえな毎日の写真集です。
左右の瞳の色が違う猫(デビッド・ボウイみたいだ~)、みさおおばあちゃんちの納屋で
おばあちゃんと出会いました。
それ以来おばあちゃんとふくまるはいつも一緒にいます。
生まれつき耳が聞こえないふくまるだけど、
おばあちゃんの言うことがきっとわかっていると思います。
畑やお花畑で作業するおばあちゃんの側にちょこんと佇む、ふくまる。
おばあちゃんがお風呂にはいってもついて来る、ふくまる。
泥のついた顔がべらぼうにかわいい、ばあちゃんとふくまる。
畑の様子やお家のなかの設えなど眺めていると、
ああ~っ、こういうところにおばあちゃんがいて、
「遊びに来たよぉ!」と飛んでいけたらどんなにしあわせかと思うのです。
(田舎もないしおばあちゃんも猫もいないんだよ、ワタシ。)
お庭で焼き芋を焼くとか、薪でごはん炊くとか、
お飾り(藁をつかうやつ)や鏡餅を自分で作るとか、好き勝手にお花の種を蒔くとか、
一度はやってみたいことが、おばあちゃんやふくまるにとっては日常なんだなぁ。
みさおおばあちゃんに拾われてよかったね、ふくまる。
ふくまるが来てくれてよかったね、みさおおばあちゃん。
「みさおとふくまる」伊原美代子 リトルモア刊(税込み1680円)