<昼間、街を掃除する人々が、夜には四重奏を演奏する世界にしたい>
二十世紀最大のバイオリニストとして大活躍した、
ユーディ・メニューインのこの言葉をご存知の方も多いはずです。
戦時中、バイオリンを弾く先生の姿を見て感激し弾き方を教えてもらうことになった
小学5年生のたかし少年。戦後の混乱の中、先生は消息不明となり、
たかしは靴磨きで生計を支えながらその日その日をやっと生きている。
そんなとき目にしたメニューイン来日公演のポスター。
どうしても生の演奏を聴きたい!という必死の思いでこつこつとお金をため、
念願のメニューインのバイオリンを体験したたかしに夢のような出来事が待っていた・・・。
昭和26年の日本で本当にあったお話を元に作られた本、それが、この
「少年とバイオリン」です。
スタイリストの高橋靖子さん(yaccoさん)からご紹介いただいた本です。
(yaccoさんにはいつもいろいろ教えていただくばかりです、ありがとうございます!)
この本を読んで、地震による東北の被災地を訪れたアーテイストの皆さんの歌声に
涙したり笑顔になったりしている現地の皆さん映像を思い出しました。
音楽で世界中をいっぺんに変えることはできないし、苦しい状況の中、
降って湧いたようには希望や喜びを感じることは難しい。
それでもこの先続く毎日、自分の好きな音に何かを見出したいと
誰もが思うのではないでしょうか。
「少年とバイオリン」
滝一平 作
宇野亜喜良 画
國分紘子 解説
ヤマハミュージックメディア 税込み1300円