くろみみくんがうっとり見つめているこの絵、『ちょろりんのすてきなセーター』(福音館書店/900円+税)の最終場面の原画です。今日からナルニアホールで始まった、降矢なな絵本原画展のメイン作品はこのちょろりんで、なんとくろみみくんがちょろりんに再開するのは20年ぶりなのです!
2001年にナルニア国がまだ教文館の8階に小さなフロアであったころ、ちょろりんはナルニアに来てくれたことがあったのですが覚えておいでの方はいらっしゃるでしょうか……。本当に懐かしい再会です! 降矢ななさんの自作絵本は多くないのですが、中でもこれは子どもたちに大人気の1冊です(今日もおはなし会で読みましたが、小さな子も一緒に楽しみました~)。

「びきびきおばさん、実はいい人(カエル)」とつぶやくくろみみくん。

そして、もう1点ぜひ今回ご覧いただきたいのが『いそっぷのおはなし』(グランまま社/1600円+税)です。イソップはご存知の通り古い教訓話ですが、これが降矢さんの手にかかるとなんともユーモラスな(ちょっぴり毒もあり!?)イメージになります。カラーの絵も素晴らしいのですが、それぞれのタイトルに添えられたモノクロの絵がスゴイ!これはぜひ原画をご覧いただかなければなりません。

物語のその先を描く画家、降矢ななさんがイソップの物語にどんな「先」を読み取ったのかーーじっくりみて思わずうーんとうなるくろみみくんでした。『いそっぷのおはなし』の原画もプレフェア期間のみの展示です。ぜひこの機会にお出かけください。

そしてとってもかわいい『あたまをつかった小さなおばあさん』続編の挿絵もお見逃しなく! おばあさんは相変わらずおかしなことに頭を使っていますが(失敬!)、思わず誘われた笑いは心を軽やかに解放するような楽しさです。子どもだけではなく疲れた大人にもオススメかな!?
※『あたまをつかった小さなおばあさん がんばる』『あたまをつかったちいさなおばあさん のんびりする』(福音館書店/各1500円+税)の2作品の原画は本展でも展示予定です。