2020年は赤羽末吉生誕110年の記念の年! 2月には絵本『スーホの白い馬』が新規製版で驚くほど美しく(これが原画通りの色なのだそうです)よみがえりました。その後も4月に福音館書店から5点の絵本が限定復刊となり、さらに今月も復刊・新刊が続いています。
本日入荷の復刊は平凡社の『新装版 私の絵本ろん』です。作品としては『絵本よもやま話』に続くエッセイ第2弾ですが、長く品切れになっていて赤羽ファンからは復刊希望の声が高かったものでした。赤羽末吉の絵の魅力は誰もが認めるところですが、実は文章もとても面白いということを、エッセイをお読みの方は実感していらっしゃると思います。絵本作品に解説は不要な部分もありますが、大人にとっては赤羽さんがどのような思いで作品に向き合ってこられたのかぜひとも知りたいところです。絵と同じくユーモアたっぷりでありながら大切なことは直球で伝えてこられる文章からは“赤羽末吉”という人の大きさが見えてきます。生誕110年記念復刊バンザイ! お読みでない方はぜひこの機会にお求めくださいませ。

そしてもう1点の新刊は、先にツイッターでもお知らせしましたが赤羽末吉研究家の赤羽茂乃氏著『絵本画家 赤羽末吉 スーホの草原にかける虹』です。赤羽末吉氏の三男の妻として、11年間日々の暮らしに近くふれてこられた茂乃さんだからこそ書けた「ひたむきにあたたかく、こまやかな口調で存分に語った伝記文学の傑作」(帯の斉藤惇夫さんの言葉より)。数々の素晴らしい絵本を生み出し、日本人として初めて国際アンデルセン賞画家賞を受賞された世界的に著名な赤羽末吉とはどのような人物だったのか、絵本作品と合わせてお読みください。
図版・カラー口絵など豊富な資料も入った610ページの大著です! この巣ごもり期間中に読むのにこれほどふさわしい本があるでしょうか!!

『新装版 私の絵本ろん 中・高校生のための絵本入門』赤羽末吉著/平凡社ライブラリー 1400円+税
『絵本画家 赤羽末吉 スーホの草原にかける虹』赤羽茂乃著/福音館書店 2500円+税
※新刊『絵本画家 赤羽末吉』は、著者・赤羽茂乃さんのサイン本をご用意します(入荷日未定)。ご予約希望の方はナルニア国までメールにてご連絡ください。narnia@kyobunkwan.co.jp