(ごんセットケースあります)

赤羽末吉生誕110年を記念して、福音館書店から絵本が5点復刊になります。そのうちの4点が昨日入荷しました。

中国の少数民族苗族の昔話『あかりの花』は比較的最近も復刊されたことのある絵本なので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。赤羽さんの絵が美しくて切なくて、いつの時代にも共通する人間の業を感じます。ですからこの結末が一層心にしみるのでしょう。「そののち、ふたりは、いつまでもいつまでも、しあわせにくらしたということです。」という言葉が、真実の言葉として読者の心に届くはずです。
もう一つは赤羽末吉の創作絵本「おへそがえる・ごん」3部作――まさに、待望の復刊です。おへそのボタンを押すともくもくもくと怪しい煙が出て人々をけむに巻くかえるのごんが、父親を探して旅をする男の子・けんと出会い、一緒に旅をするなんとも愉快なお話。途中でヘンテコな化け物や、雲に乗ってへそを取り歩く雷様と出会いながら、それらの仲間たちと山賊や悪い殿さまをやっつけるという奇想天外なストーリーに、思わず笑いながらページをめくる手が止められなくなります。絵が文字以上にモノを言う劇的な場面が連続し、まるでお芝居を見ているように150ページの物語をぐいぐいと引っ張っていきます。ぜひ皆さんが自分の好きなペースでページをめくりながら、ごんたちの冒険を楽しんでいただきたいです。“STAY AT HOME”のゴールデンウィークに、これほど楽しくふさわしい本はないかもしれません!

『あかりの花 中国苗族民話』肖甘牛再話/君島久子訳/赤羽末吉画/福音館書店 1300円+税
『おへそがえる・ごん①ぽんこつやまのぽんたとこんたの巻』『おへそがえる・ごん②おにのさんぞくやっつけろの巻』『おへそがえる・ごん③こしぬけとのさまの巻』各1400円+税

【お知らせ】『絵本作家赤羽末吉 スーホの草原にかける虹』は出版がゴールデンウィーク明けに延期されました。今しばらくお待ちくださいませ。