ベスト👍 絵本
『ぼくは川のように話す』
ジョーダン・スコット 文
シドニー・スミス 絵
原田勝 訳
偕成社 刊
2021年7月 発行
定価1760円(税込)
42ページ
対象:小学校低学年から

「ぼく」の心をすくった美しい川の光景が、心情あふれる言葉とみずみずしい絵によって胸にせまる

「朝、目をさますといつも、ぼくのまわりはことばの音だらけ。」
ぼくの舌にからみつく「ま」、のどの奥にひっかかる「カ」……苦手な音をどもってしまうぼくは、クラスの朝の発表で話すことができませんでした。放課後、迎えにきたお父さんは「どこかしずかなところへいこう」と川へ連れていってくれました……。

詩人である作者の実体験をもとにした絵本です。
吃音を学校で笑われた「ぼく」が、父親と川で静かな時間を過ごすうち平穏をとりもどすお話。
川の流れって不思議な心地になるものです。実際のそんな気持ちを思い出しました。
ゆったりしたタッチの絵がお話に寄り添ってくれているように感じます。派手さは微塵もないし、ドラマチックな出来事も起こりませんが(あ、でも「ぼく」に起こった心の動きはある意味ドラマチックかも!)、やさしい心地になれる1冊です。

ちなみに絵本のタイトル文字は、絵本作家の荒井良二さんによるものですよ。(す)

★ご注文はお電話、Fax、メールにて承ります。
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メール narnia@kyobunkwan.co.jp