クリーンヒット⚾ フィクション
『チェスターとガス』
ケイミー・マガヴァン 作
西本かおる 訳
小峰書店 刊
2021年9月30日 発行
定価1650円（税込）
265ページ
対象：中学生から
補助犬になれなかったチェスターと自閉症の少年ガスの友情の物語
盲導犬として育てられていたチェスターは、大きな音に過剰に反応してしまうため、テストに受かりませんでした。それでも「人のために働きたい」という気持ちの強かったチェスター。自閉症のガスの家に迎えられることになりました。ガスのために何ができるか、一生懸命チェスターは考えます。そして、少しずつガスと気持ちが通うようになり…。
犬のチェスターの視点で語られる二人の友情物語。犬（動物）を飼ったことのある人には、そうでない人よりも心に響くだろうと思います。チェスターがとにかく、健気！ 犬のいる暮らしっていいなとしみじみ感じました（子どものころ、家に犬がいたので懐かしさを覚えました）。
本書は作者の自閉症の子どもと愛犬が会話する様子をみて（！）、できたのだとか。自閉症や、働く犬に対するリアルな状況も描かれます。彼らへの理解の一助にもなるかもしれません。どんな立場の人や生きものも皆、幸せに過ごすことのできる世の中になればと願わずにはおれません。（す）
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