ナルニア国新刊コーナーのスタッフ(す)と(く)が刊行当初から押し続けていた、豊田直巳さんの『それでも「ふるさと」』シリーズが、2019年の産経児童出版文化賞・大賞に選ばれました。本当に素晴らしいことだと思います。
東日本大震災から8年、東京で暮らしていると福島第一原発事故はどんどん遠い出来事になっていってしまいます。いまだに収束のめどもつかず故郷に帰れない人たちが大勢いることを忘れてはいけないですし、せめてそこで暮らしている人たちの思いを知る努力をしなくてはいけないーー豊田さんの静かな言葉と写真は、底に熱いものを秘めながら読者に迫ってきます。こんな理不尽なことを許していいのだろうかと疑問を持つこと、それだけでも世の中の見方は少し変わるはずです。ぜひまだ見たことのない方にはこれを機会にこの本を手に取っていただきたいと思っています。

5月19日(日)には、青山のクレヨンハウスで豊田直巳さんの講演会があります。お話を聞いてみたい方はぜひ、クレヨンハウスへお電話してください。(03-3406-6465/11:00~19:00)

『それでも「ふるさと」』全3巻 /豊田直巳 写真・文 /農文協 各2000円+税
『「牛が消えた村」で種をまく』『「負けてられねぇ」と今日も畑に』『「孫たちは帰らない」けれど』