累計190万部のロングセラー絵本『ちいさいおうち』が、作者バートンの生誕110年を記念して美しく生まれ変わりました。刷りを重ねるうちに色が変わって(褪せて?)しまったものが、原書に合わせてクリアになりました。
中でも大きく変わったところが二つあります。一つは表紙のおうちの下に原書ではあって、日本語版では消されていた“HER-STORY”の文字がよみがえったこと(この文字、結構重要だと思います!)。もう一つは、これも原書にはあった献辞の文字“To Dorgie”もちゃんと取り上げられたことです(下写真)。

そして、巻末にはバートンの息子アリスさんのエッセイ「母ジニーのこと」が松岡享子さんの翻訳で紹介されています。岩波書店から1964年に原書と同じサイズで刊行されて以来64刷りを重ね、3世代に渡って愛されてきたバートンの『ちいさいおうち』――これからもたくさんの子どもたちに読み継がれていくように、ナルニア国イチオシの1冊として紹介を続けていきたいと思っています!

きれいになった『ちいさいおうち』ばーじにあ・りー・ばーとん文・絵/いしいももこ訳/岩波書店 1700円+税
※旧版から100円値上がりしました。