2010年~2013年にかけて刊行され、現在では休刊となってしまった雑誌「ブックバード日本版」の中にこんな特集を見つけました。ずっと棚に並んでいたのに今頃改めて気がつくなんて……お恥ずかしい限りです。
ひとつは2012年3月に出た第8号で、特集は“グラフィックノベルという児童文学の新しい風”です。私がグラフィックノベルという言葉を初めて意識したのは、昨年岩波書店から刊行された『MARCH(全3巻)』によってでした。「え、岩波書店からマンガがでるの?!」という驚きと共に、このような作品のことをマンガではなく“グラフィックノベル”と呼ぶことを教えられたのです。ショーン・タンの『アライバル』がもっとも有名なグラフィックノベルだと思いますが、最近は続々とこの形態の本が出ています。特集では韓国やイラン、インドなどの本が紹介されていてなかなか興味深いものでした。もうひとつは2013年6月に出た第9号で、特集は“世界の児童文学が語る「トラウマ」~自然災害・戦争・差別・暴行・いじめ・ホロコースト”です。2018年のおすすめに入っている『花ばぁば』についての記事もありました。資料としても貴重な「ブックバード日本版」、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

「ブックバード日本版」バックナンバー(No.1~No.11 まで) 各2200円+税