ベスト👍 ノンフィクション
『がろあむし』
舘野鴻 作絵
偕成社 刊
2020年9月 発行
本体2000円＋税
対象：小学校中学年以上
地下に広がる宇宙を生きる小さな虫の大きな一生
前作『つちはんみょう』の刊行が2016年。小学館児童出版文化賞を受賞され、満を持して本書『がろあむし』が出版されました！
地中に暮らす小さな２センチ程度の虫の一生を壮大に描いたかがく絵本です。
崖の奥底で生まれたがろあむあしの赤ちゃんは、小さな生きものを食べて大きくなります。地中を走りまわりながら生きる姿は、生命力のかたまりそのもの。
やがて大きくなるとオスと出会い、卵をうみます。出会いのページが、それまで暗黒だった地中深くから地上の世界が少し見えて、とても美しく感動的。ドラマを感じます。
取材に１０年もの年月を費やしたという本書は、緻密に描きこまれたページからものすごい熱量を感じます。
この虫が生まれて死ぬまでおよそ８年。この時間を感じさせる構成も素晴らしいです。人々が暮らす街の様子を俯瞰した絵を冒頭と終わりに配することで、この時間を体感できるのです。
地中の小さな虫たちの姿もリアルなので、虫が苦手！という方は、ちょっと怖く感じるかもしれません。でも、この小さな生きものたちも同じ地球に暮らす生きものだ、と実感できるのではないでしょうか。ぜひ、手に取っていろんなことを感じてほしいと思います。
そして何より、造本がかっこいいです！ これは実際に手にしてみないと！
＊今なら舘野さんの直筆サイン入りの本のご用意があります～。『がろあむし』９冊、『つちはんみょう』４冊のみ！
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