今日入荷した新刊『クリスマスの小屋』は、お話の名手ルース・ソーヤーが再話したアイルランドの妖精物語です。子どもの頃、アイルランド出身の乳母からたくさんの昔話を聞いて育ったというソーヤーが、大人になってアイルランドの旅で出会ったお話の一つを再話したものだそうですが、なんとも不思議で心に響く作品でした。60ページほどの短い物語ですが、人生の悲しみと喜び、美しさがいっぱいにつまった感動的なお話です。あわただしい日常を少しだけ忘れて、温かいお茶でも飲みながらじっくり読んでいただきたい本です。
そして金の箔押しがキラキラを表紙を彩り(でも全然派手ではない)、クリスマスの華やかな気分も盛り上げてくれます。本好きにとって美しい装丁の本は、手に取るだけでも心がときめくものです。

そして皆さまにお知らせです。今年のナルニア国のクリスマスフェアは『クリスマスの小屋』と、先日出版されたアトリーの『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』のダブル原画展を開催します。『クリスマスの小屋』は岸野衣里子さん、『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』は東郷なりささん、いずれも若い画家さんのステキな原画&版画が間近に見られる貴重な機会です。コロナ禍で疲れた心にそっと染み入るような原画展に、ぜひお出かけください。
★クリスマス原画展は10/30(金)~です。

『クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし』ルース・ソーヤー 再話/上條由美子 訳/岸野衣里子 絵/福音館書店 1500円+税