『海でつばさを手に入れる 5300万年前に始まったクジラの挑戦』


『海でつばさを手に入れる 5300万年前に始まったクジラの挑戦』
中村玄 作
箕輪義隆 絵
理論社 刊
2025年7月 発行
2090円(税込)
31ページ
分類・ノンフィクション
対象:小学校中学年から

海の王者となったクジラのドラマチックな物語!

大きなクジラを実際に見たことはありますか? 映像だけでしか見たことはありませんが、その雄大な姿には憧れに似た想いがあります。
あ、高校を卒業したころ、たぶん東京海洋大学(違ったかも? でもどこかの都内の大学だったことは間違いない! 夜に何かの帰りに友人たちと見た)の敷地に入ってクジラの標本が展示というか置いてあったのを見たことがあります。「大きいなあ」としみじみ眺めた記憶が…。

そんな(?)クジラの進化についての壮大な物語です。
今から5300万年前、恐竜の時代が終わって、哺乳類の時代がやってきました。

陸を歩いていた大型犬ほどのパキケタスーーこのパキケタスは走ることも木登りも、ましては空を飛ぶこともできませんでしたが、魚をつかまえることができました。指の間には水かきがあって、川の浅瀬で泳ぎながら、魚をおいかけて暮らしていたそうです。ほかの哺乳類が見向きもしなかった水の中に豊かなエサ場を見つけたのです!
それから長い時間をかけて体を変化させ、外洋で生きていけるようになっていった様を丁寧に描いた1冊。

今のクジラの姿とはだいぶ違うので「これがクジラの祖先?」ってびっくりしちゃいました。
5300万年という気の遠くなるような時間をかけて進化して海の王者となる、なんともドラマチックです。人の想像では追いつけないような壮大な物語です。

タイトルになっている「海でつばさ」とは、クジラの泳ぐ姿から。それを髣髴とさせる場面がラストのほうに描かれているので、じっくり堪能してほしいです。
クジラが好きな人や、古生物が好きな人にとくにおすすめしたい本です。 (す)