『自他の境界線を育てる』

『自他の境界線を育てるーー「私」を守るバウンダリー』
鴻巣麻里香 著
筑摩書房 刊
2026年2月10日 発行
990円(税込み)
175ページ
分類:ノンフィクション
対象:高校生から

問題は自分と社会の「間」にある。心の境界線(バウンダリー)を修復し、育むために。

著者は精神保健福祉士、スクールソーシャルワーカー。
「バウンダリー」ってなんとなく聞いたことはあるけど、もうひとつピンとこなかったのですが、本書を読んで少しすっきりしました。とはいえ、100%理解したとは言い難いけれど。ハハハ。
でも「はじめに」で“わたし”の境界線が侵害されることで発生する苦しさは珍しいことではなく、日常でも起こることとしていくつか例が挙げられています。
・親がドアをバタンと大きな音をたてて閉めたり大きなため息をつくと、自分が悪いことをしたような気がして、怖くなって機嫌をうかがってしまう
・嫌だなという誘いを断れない
・勝手に身体を触られて、嫌なのにやめてと言えない
・誰かと一緒にいてなんとなく疲れるとき、そう思う自分が悪いんだと申し訳なく感じてしまう
といった具合です。
なんとなくでも、程度の差はあれど思い当たることのある人は結構いるんじゃないでしょうか。

本書では、その「もやもや」や「しんどさ」の原因と解決法をさがすのに「境界線(バウンダリー)」を加えて考えてみよう、というものです。
「私が悪いから」と思っていることの多くは、境界線のエラーかもと視点を変えることで対処法がみつかるかもしれない、と言います。

第1章:「バウンダリー」は「私は私」の境界線、第2章:もやもや、イライラの正体はバウンダリーの侵害かも?、第3章:こころの境界線を育む言葉と行動を知ろう、第4章:バウンダリーの侵害がひきおこす「生きづらさ」、第5章:傷ついたバウンダリーを引き直す、第6章:バウンダリーという視点で世界を見てみよう、といった章立てです。

みんなが少しづつでも「バウンダリー」を意識していけたら、誰もが息をしやすい世の中になるのかな、なんて感じました。具体例も多くひいているので、共感しやすいかもしれないですね。 (す)

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