『ナヌーク 氷原の静かなる物語』
『ナヌーク 氷原の静かなる物語』
星野道夫 著
星野直子 監修
クレヴィス 刊
2026年7月31日 発行
3630円(税込)
144ページ
分類:ノンフィクション
対象:小学校高学年から
星野道夫が撮ったホッキョクグマは、どこまでも優しい表情(かお)をしているーー著者初となるホッキョクグマの写真集。
アラスカの人びとと自然をテーマに写真と文章で記録し発表し続けてきた星野道夫が、今年没後30年だそうです。今さら彼について何を語ることがあろうかとも思いますが、そんな年に著者初(!)となるホッキョクグマの写真集が出版されました。
もう、表紙の写真から見入ってしまいます。ステキすぎる!
雪と氷の世界が広がる極北の大地に生きるホッキョクグマの姿を見事にとらえた写真ばかりです。野生のクマたちですが、本当にどのクマも優しい顔つきをしていることに驚かされます。
こんな生きものが同じ地球上に生きているーーそう思うとき、写真のクマのような優しい気持ちになれる気がします。
文化人類学者の岸上伸啓、獣医学博士の坪田敏男、そして星野道夫と星野直子の文章も寄せられていて、星野道夫とホッキョクグマとの関わりについて理解が深まります。とはいえ、彼らの文章は二次的なものであり、とにかく写真をとくと見てほしいものです。こういう世界が好きならば、小さい子どもにも見てほしいと思えます。小さいときのほうがインパクトは大きいかもしれないし。
何度ページを開いても、開くたびに新鮮な心地になれる、何か発見のある写真です。
六本木で8月半ばまでこの写真展を開催していたので、ご覧になったかたもいるでしょう。かくいうわたしは…、残念ながら機会を得ませんでした。トホホ。
改めて星野道夫という人の大きさを感じた1冊でした。 (す)
