『ハングルの世界』

『ハングルの世界 文字から韓国を知る』
水野俊平 著
岩波書店 刊
2026年3月19日 発行
990円(税込)
208ページ
分類:ノンフィクション
対象:中学生から

身近にあるのに読めない、けれど読んでみたい文字、ハングル。

最近では街中でも標識や看板などで、ハングル文字を目にすることが増えました。でも、さっぱりなんて読むのかわからない、って人も多いのではないでしょうか。それとも韓国のドラマやアイドルが流行している影響で、読める人のほうが多いのかな??? わたしはもちろん前者です(笑)。
ですが、原理や法則を知ると、韓国語がわからなくても読むことができます、と著者は言います。ほ、本当? 
「まえがき」で韓国語の読み書きができることは目指していない、ハングルを読んで書けるようになること、ハングルの成り立ちや歴史を大づかみに理解することを目的としていると言い切ります。
その目的を果たすための1冊。すごい。
本気でハングルを読むようになりたい、という意思があれば(!)、確かに本書を片手に読んでいけそうと思いました。とはいえ、わたしには難しいとも思いましたけど。

そしてなんとハングル文字は、いつ誰が作ったかがわかっている! その目的まで明確に知られている、と言います。世界で使われている文字と比べれて比較的新しく、15世紀に朝鮮の国王が作りだし、次第に庶民にまで広がっていったそう。文字がもたらす文化の変遷までを考えます。

第1章:「ハングル」と「韓国語(朝鮮語)」、第2章:日本の街にあふれるハングルを読んでみよう、第3章:韓国語の単語を表記したハングル読む、第4章:ハングルが歩んできた道、第5章:ハングルはどのように普及したのか、第6章:ハングルの字母はどのように作られたのか、第7章:ハングルの字形の変化、第8章:ハングルが「国文」になる、第9章:「ハングル専用」と漢字廃止、第10章:漢字のなくなった社会の章立て。コラムもはさまれていて、ハングルについての思考を深められます。参考文献やハングルの世界の年表(これがすごい!)も付しています。

特に印象に残ったのは、「ハングル」とは文字の名称であって「ハングルが上手に話せる」とか「ハングル語」なんて使い方は実は誤りだということ。案外、見聞きするような気もしますけど。日本語でいえば「ひらがな」や「カタカナ」と同じだとは、知りませんでした。

韓国の文化や言語に興味があったりすると、さまざまな刺激を受けて、発見もありそうです。 (す)

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