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内容詳細

聖書の女性たちも私たちと同じように悩んでいた!

人類最初の女性エバ、ダビデ王と関係をもったバテ・シェバ、夫に「神を呪え」と言い放ったヨブの妻、イエスの母マリヤ、「罪深い女」というレッテルを貼られた女性……。
彼女たちは神に出会ってどのように変えられたのか?
友情・恋愛・仕事・結婚・子育てから、信仰や祈り、そして老いや病気との向き合い方まで。
神に出会って人生を変えられた16人の女性たちの物語。

【もくじ】

 まえがき

 旧約聖書の女性たち

1 エバ──女性の創造
2 サラ──新しい名前
3 リベカ──母子関係
4 ミリヤム──指導者
5 ルツ──信仰
6 ハンナ──祈り
7 バテ・シェバ──回復
8 ヨブの妻──夫婦

 新約聖書の女性たち

9 エリサベツ──友情
10 イエスの母マリヤ──思い巡らし
11 サマリヤの女──新生
12 一人の罪深い女──赦し
13 長血の女──病気、体調
14 マルタ──奉仕
15 マグダラのマリヤ──応答
16 ルデヤ──仕事

 あとがき

 

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書評

神に出会って変えられた女性たちの物語

岩田三枝子

 日本をはじめ世界各地の教会や学校、諸集会で結婚や恋愛、子育て、信仰継承等々のセミナーを、時には夫である大嶋重徳氏(KGK総主事)とともに、また時には単独で行なう大嶋裕香氏による書き下ろしの一冊である。ちなみに、筆者の勤務大学でも毎年学生向けに「キリスト者の性・恋愛・結婚」の講義をしてくださり、毎回和やかな笑い声の絶えない大嶋氏の講義は学生にも好評である。書き下ろしとはいえ、毎月の締切日を定めて書きためていったという本書からは、人々との交わりを喜びとする著者の丁寧で暖かな人柄がそのまま溢れてくるようだ。本書全体を流れる気取りのない優しい語り口は、まるでコーヒーを片手にリラックスして著者と会話を楽しんでいるような気持ちにさせてくれる。

 本書は、旧約聖書からエバやサラなど八人の女性、そして新約聖書からもエリサベツやイエスの母マリヤなど同じく八人の女性に焦点を当て、聖書の記述から忠実にその女性たちの生涯を辿りつつ、信仰の姿や神や人々との関係を描き出していく。著者は、本書に取り上げられている女性たちの姿を通して、人間は褒められるべき特質と同時に、罪の性質の両面を兼ね備えていることを浮き彫りにする。そして、神はそのような罪深い人間を慈しみ深く、あわれみ深く愛される神であることを示す。女性たちに向けられた著者の視点は、「だから、こうでなければならない」という教訓めいたものではなく、「だから、私たちもまた『神に愛されている女性』なのだ」ということに気付かせてくれる。

 著者は、聖書に登場する女性たちの姿を描くと同時に、神がどのようなお方かをも指し示す。本書の主人公は、旧約聖書・新約聖書に登場する一六人の女性であるだけではなく、真の主人公はそのような女性たちを愛される神である。読者は、本書を通して、聖書の女性たちと出会うとともに、神と出会い、また聖書の女性たちの歩みの中に自分自身の姿を見出すことによって自分自身と出会う。

 本書には、聖書の女性たちの解説に合わせて、著者自身の結婚や子育て、信仰生活のエピソードもふんだんに盛り込まれている。その中の一つを紹介したい。サラが神から新しい名前を与えられたことから、著者自身も「裕香」という名前に、「ゆたかに祈る」という「新しい名前」の意味を見出したというエピソードがある。ふと気がつくと、私も読む手を止めて、自分の「新しい名前」をあれこれと思い巡らしていた。このような数々のエピソードを通して、読者は聖書の世界と自分自身とが隔たっているのではなく、自分たち自身もまた聖書と同じ世界に生きる存在であることを身近に感じさせてくれる。

 本書のもう一つの特徴は、サブタイトルに「西洋名画と読む聖書」とあるように、本書に挿入された聖書の女性たちを描く絵画が、時を超えて、その世界に誘い込んでくれることである。要所要所に挿入されたレンブラントやエル・グレコなど著者自身の選定による一二点の名画に本書の中で出会う度に、思わずじっと見入ってしまう。絵画は私たちの想像を豊かに駆り立ててくれる助けであることを改めて感じつつ、西洋美術、日本美術、古典美術、現代美術など多彩なジャンルの美術館、博物館巡りを楽しむという著者の思い入れが伝わってきて、自分も実物を見るために美術展に足を運びたくなる。絵画が聖書の世界と私たちの現代とを結ぶ役目を果たしてくれる。

 読者は本書を通して、聖書の世界・絵画の世界・現代という三つの時空をタイムマシンに乗っているかの如く自由に旅しながら、聖書の女性たちに出会い、神に出会い、自分自身に出会う至福の読書時間を味わう。

(いわた・みえこ=東京基督教大学准教授)

『本のひろば』(2018年10月号)より