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内容詳細

好評であった『夜も昼のように』(同時重版決定)に続く第二弾!

御言葉の真実と神の創造の御業が響き合う深い慰めの世界

「なぜこうなったのか、と人間は問います。なぜこんな災難が襲ったのか。なぜこんな病気になったのか。まるですべての結果がそこに現れたかのように。しかし、主イエスにあって、事態はそういうものではありません。災難も病気も、神がそこから御業を行ってくださる始まりなのです。混沌から神は光を創造されます。」

❖小島誠志 1940 年生まれ。1966 年、東京神学大学大学院卒。現在、日本基督教団久万教会牧師。
著書『わかりやすい教理』『夜明けの光』『虹の約束』『夜も昼のように』『朝の道しるべ』他。
❖森本二太郎 1941 年生まれ。国際基督教大学卒。敬和学園高校教諭を経て、現在フリーの写真家。
レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の写真、『エデンの森かげ』『神のいつくしみは人にも野の花にも』他。

 

 

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書評

<本のひろば2022年6月号>

評者が最も心ときめく本が出版されました。牧師・小島誠志先生と写真家・森本二太郎さんのコラボによる『光は闇のなかに』です。本は本ですが、黙想写真集と紹介したらよいでしょうか。一五年前に出版された『夜も昼のように』に続く第二弾です。前著は何度も版を重ね、多くの方々に愛読されました。その前著に続くこの『光は闇のなかに』の出版を評者は心待ちにしていました。
 著者の小島誠志先生は元日本基督教団総会議長で、現在は四国・久万教会の牧師をされています。「聖句断想」という黙想集を数多く書いている先生です。知る人ぞ知るですが、小島先生は『信徒の友』に毎月のように短歌や俳句や詩を投稿され、それが紹介されています。心に染み入る信仰の言葉をやさしく紡ぐ先生です。森本二太郎さんも写真家として著名な方です。大自然をテーマに魂を揺さぶる写真を撮り続けています。森本さんも、やはり私たちにとっては『信徒の友』でおなじみです。この二人が見事なコラボレーションで本書を創り上げてくれました。
 本書は六〇頁ほどの小さな本です。けれども、この本ほど今、キリスト者に深い慰めを届けてくれる本はないのではないか、と思われます。打ちひしがれて泣きたいとき、落ち込んで聖書を読む気力すら失われたとき、この本を開けば、深い慰めと心に届く希望の言葉に出会えます。涙が拭われ、明日を生きる勇気を与えられます。聖句を語る小島先生のメッセージと、みずみずしい感性で聖句を照らし出す森本さんの写真で、多くの人たちが癒される経験をするに違いありません。
 少し紹介しましょう。「死の陰の谷を行くときも」と題した詩編二三編四節の聖句が引用されます。その聖句に小島先生はメッセージを添えています。「人生には目を開いて通過できない地点があります。死の陰の谷。すくんで歩けなくなります。歩けなくていいのです。羊飼いがその胸に抱いて一緒に通過してくださいます」と。左頁の写真では、ごつごつした岩の狭間から可憐な野の花が顔を出して、咲いています。まるで「私もここにいるよ」と囁いているような大自然の小さな命です。小島先生の「歩けなくていいのです」という言葉に、涙がこぼれ落ちそうになりました。羊飼いの胸に抱かれて死の陰の谷を渡って行けると思うだけで、ほのかな希望が見えてきます。明日に向かって生きる力が湧いてきます。このような聖句に毎日出会えるならば、どんな試練があっても、たじろがずに歩いて行けるのではないか。そんな気がしてきます。
 評者はこの本を、病床にある教会員を訪ねる時にプレゼントとして用います。きっと多くの牧師たちがそう考えるのではないでしょうか。本書は、希望を見出せないでいる方々、試練に遭っている方に届けたい本です。たとえキリスト者ではなくても、どこかの頁を開くだけで、慰めの言葉に出会えます。『光は闇のなかに』というタイトルの通り、今、先が見えず闇の中を喘いでいる人たちに、光を届け、生きる勇気を与えてくれる癒しの本です。このような素敵な本を私たちに届けてくれた、小島先生と森本さんに心から感謝いたします。

小友聡(おとも・さとし= 東京神学大学教授・中村町教会牧師)