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内容詳細

現代日本を代表する神学者の集大成
組織神学三部作が遂に完結!

聖書神学を尊重し、遠大な神学史・教義学史を検討し、現代世界の思想的難題にも応答した教義学の記念碑的著作。
下巻では、教会論、救済論、神の世界統治、そして終末論が扱われる。

「教会の戦いは礼拝、伝道、牧会の全面にわたって、いかなる時代にあっても戦い抜かれなければならない。神学もまた説教の強化、キリスト教倫理の闊達化、世界政策の明確化などを合わせて、組織神学の全面にわたって展開されなければならない。その中にあって教義学はあらゆる神学的戦いの土台をなす。戦いは常にここから開始され、ここで支えられ、ここで活力を与えられなければならないであろう。」(あとがき)

【目 次】

はじめに
参考文献略号表

第Ⅵ部 神の国のための神の子たちの共同体としての教会

第30章 教会の歴史的成立
1 教会の歴史的出現
2 歴史のイエスにおける歴史的教会の起源
3 イスラエルとエクレシア

第31章 教会の神的根拠
1 見える教会と見えない教会
2 「神の民」としての教会
3 「キリストの体」としての教会
4 「聖霊の宮」としての教会
補充考察 パウル・ティリッヒにおける「霊的共同体」とその問題

第32章 公同教会の理念
1 諸教会と公同教会
2 一つなる教会
3 聖なる教会
4 公同的教会
5 使徒的教会
6 教会の権能の座

第33章 福音的教会の理念
1 公同教会の伝統と福音的教会の理念
2 宗教改革の教会理念
3 福音的教会の理念

第34章 教会の使命としての伝道
1 忘れられた教義学的主題
2 カール・バルトにおける「伝道」の教義学的考察とその問題点
3 歴史のイエスにおける異邦人伝道
4 終末のしるしとしての伝道
5 伝道の力としての聖霊
6 パウロにおける異邦人伝道の理解──ローマの信徒への手紙9──11章
7 「和解」の遂行に属し、「救済史」に不可欠な伝道
8 ヴォルフハルト・パネンベルクの伝道理解の問題
9 教会の不可欠な使命としての伝道
10 神の伝道と神の協力者

第35章 教会の使命としての礼拝
1 教会の使命としての礼拝と救済史的秩序
2 礼拝における神の行為と人間の行為
3 礼拝における神の行為
4 洗礼と説教と聖餐
5 献げる礼拝

第36章 神とその御業のための「恵みの手段」(media gratiae)
1 聖霊の働きと恵みの手段
2 神の語りかけとしての説教
3 洗礼
4 主の晩餐

第37章 神と人とに仕える教会──奉仕の神学
1 神への奉仕と人への奉仕
2 「主の僕」として「奉仕者」であるキリスト者
3 キリストの奉仕と聖霊のカリスマ
4 言葉の奉仕と業の奉仕
5 兄弟姉妹の相互奉仕と奉仕の普遍性
6 奉仕の職務の制度化・組織化が必要か
7 カール・バルトにおける「奉仕の神学」

第38章 教会の歴史的・制度的形成
1 制度としての教会とその意味
2 聖書
3 信条と信仰告白
4 職制
5 按手礼の意味
6 教会規則
7 教会政治
8 教会規律と譴責・戒告
9 神学校の形成と神学教師の育成

第Ⅶ部 神の子としての人間の救済とキリスト者の生

第39章 三位一体論的救済史的救済論
1 救済論の意味と位置
2 オルド・サルーティス(ordo salutis)か、救済の諸契機か
3 救済論の構成
4 キリスト論的救済論
5 聖霊論的救済論
6 救済の不可逆的過程の一回性

第40章 神の子とされた者の再生
1 救済論の基調語としての「神の子とされること」
2 「神の子とされること」の神学史的回顧
3 「神の子とされること」の救済が持つ二重の意味
4 もう一つの基調語としての「再生」
5 「再生」の神学史的回顧
6 「再生」をもう一つの基調語とする理由

第41章 義認と赦罪
1 義認論は「教会ガ立チモシ倒レモスル条項」か
2 パウロの義認思想とイエスの福音
3 「義認」の法廷的解釈とその限界
4 「義認の教理に関する共同宣言」の評価
5 義認の教理の基準性?
6 信仰ノミ(sola fide)による義
7 キリストノユエニ(propter Christum)義とされる
8 義認と神の義の自己確証
9 洗礼における聖霊の注ぎと義認
10 同時ニ罪人ニシテ義人(simul iustus et peccator)である者の確信

第42章 聖化と堅忍
1 ツィンツェンドルフとジョン・ウェスレーの会談
2 神への所属性としての聖性
3 全体的生の聖化
4 聖化する霊
5 聖化の基盤としての洗礼
6 イエス・キリストに従う
7 「キリストの兵役」(militia Christi)
8 悔い改めの再考
9 聖徒の堅忍
10 「実践的三段論法」(syllogismus practicus)の問題

第43章 召命と派遣
1 「召命」とは何か
2 エレミヤの召命記事から
3 召命の遂行
4 召命の根拠
5 召命と聖霊
6 召命の目的としての人間の共同行為の意味
7 召命と派遣の場所としての世にある教会
8 派遣における艱難
9 召命と職業
10 伝道者・牧師の召命

第44章 信仰と希望と愛──キリスト者の生
1 信仰
2 希望
3 愛

第45章 祈り
1 祈りの神学
2 キリスト教的祈り
3 キリスト教的祈りの根拠と形態
4 イエスの祈り
5 聖霊による祈り
6 執り成しの祈りとしてのキリスト教的祈り
7 祈りの内容と多様性
8 願い求める祈りか、それとも感謝の祈りか
9 祈られる事柄の多様性
10 聞き届けられる祈り

第Ⅷ部 神の世界統治

第46章 神の世界統治
1 神の世界統治の啓示と隠れ
2 真の統治者の唯一性と代替不可能性
3 世界の現実にある歴史的変化と歴史的一回性
4 進歩とその限界
5 悪から善を引き出す神の世界統治
6 神の世界統治とセオクラシー
7 歴史における審判
8 歴史における平和

第47章 勝利者キリスト
1 世界におけるキリストの王権
2 イエス・キリストの勝利とその根拠
3 世界におけるキリストの王権の意味──ヴィサー・トーフトの解釈とその問題点
4 キリストと世を支配する諸霊
5 キリストの国(Regnum Christi)

第48章 教会と国家と神の国
1 教会と神の国──その歴史的概観
2 国家論の諸形態
3 教会と神の国
補充考察 「世のための教会」(Die Gemeinde für die Welt)について

第49章 教会と伝道をとおしての神の世界統治
1 教会の活動をとおしての神の世界統治
2 伝道による世界の聖化
3 教会の世界政策

第Ⅸ部 救済史の成就としての神の国

第50章 終末論の根拠と構成、および終末論史の概観
1 終末論とその根拠
2 終末論の主題と内容構成
3 終末論史の概観
4 救済史的終末論の提唱

第51章 キリストの再臨と最後の審判
1 「再臨」か「来臨」か
2 キリスト再臨の現実
3 再臨の時
4 再臨遅延の問題
5 反キリスト
6 最後の審判
7 万人救済説の意味と欠陥
8 聖霊による変容

第52章 死と復活と永遠の命
1 キリストにある者の死
2 死と洗礼
3 死者の場と時
4 死人の復活
5 復活による変容──三位一体の神の働き
6 永遠の命

第53章 神の国と歴史的終末論
1 神の支配と神の国
2 イスラエルの救い
3 「千年王国」の意味と問題
4 神の国の完成と救済史の成就
5 神の国の現実

第54章 新しい天と新しい地──宇宙的終末論
1 宇宙的終末論の不可欠性
2 宇宙的終末論の近年の試み
3 宇宙的キリスト
4 新しい天と新しい地
5 教会の宇宙論的な意味
6 時間の終末論

第55章 神の栄光
1 「すべてにおいてすべて」
2 終末における神の栄光
3 アーメン、そしてハレルヤ

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書評

伝道を支え、活力を与える教義学
〈評者〉井ノ川勝 (本のひろば2023年2月号書評)