税込価格:6600円
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内容詳細
1939年から1940年の冬に行われた、イグナティウス・ロヨラの『霊操』に関するユングの全講義を初めて公開。
本書では、ユングが『霊操』に見られる精神修養のプロセスを詳細に分析、この聖人の自伝的著作に描かれたヴィジョンを心理学的に解釈し、ユング心理学の中核概念であるアクティブ・イマジネーションとどのように結びつくのかを論じている。
宗教的修行と心理療法はしばしば別のものと見なされがちだが、それらの類似点と相違点を浮き彫りにしながら、精神の変容という共通のテーマのもとに比較が進められる。また、ユングはロヨラの修行法を東洋の瞑想やヨガ、さらには西洋の錬金術の伝統と並べて考察し、人間の心の成長を促す多様な手法の本質に迫る。
ユング思想の根幹には、キリスト教との精神的な対決というテーマがあるが、それを明示的にわかりやすく語ったものは、数少ない。本書はキリスト教とユング心理学の接点を探る稀少な資料であり、宗教的伝統と心理療法の関係を深く理解するための格好の手引きとなるだろう。ユングの思想の変遷を知る上でも欠かせない一冊である。
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