税込価格:3,300円
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内容詳細

本書は京都の聖トマス学院の院長として多くの若い学徒に影響を与えた故竹島幸一神父の作品と翻訳を編纂した貴重な一書である。彼の信仰の中心にあった聖ドミニコ(1170-1221)とドミニコ会的霊性の特徴をはじめ,ドミニコに深く心を傾けたトマス・アクィナスやシエナの聖カタリナの営んだ強い思いが語られる。そこでは学問的な考察だけでは見えてこない,生き生きとした信仰と生の姿が明らかにされる。
ドミニコは幼少年期から,敬虔な両親や兄弟,司祭の伯父などの豊かな知と環境に恵まれて成長した。そのころ飢餓が広がり,彼はすべての書物を売り払って人々に手を差し延べる。生と死に向き合うこれらの経験を経て,青年期からその卓越した信仰と徳,そして学知に対する情熱が世に知られるところとなり,将来を嘱望された。
司祭になってから10年に及ぶ異端者の説得を切っ掛けに,従来は司教固有の職務であった説教を自ら行えるように説教者兄弟会の設立を申請した。これは認められなかったが,粘り強く働きかけて,彼は伝統的な隠世的観想的修道会から使徒的修道会の始原となるドミニコ説教者兄弟会を創立するに至った。彼より10歳ほど若いフランシスコも続いてフランシスコ会を立ち上げる。その後ドミニコは太陽のように,自身が発する光により多くの人々を惹きつけ,強い絆で今日に至るまでドミニコ兄弟会は維持されている。
若いころから竹島神父の指導を受けた米田彰男神父が多くの資料の中から編纂し,丁寧な注や解説を施して,一般の読者にもなじみ易い書物にしたのが本書である。信仰者だけでなく多くの読者へ信仰と人間の生を伝えた貴重な記録。

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