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内容詳細

聖書の言葉は日本語を大きく改革し、豊かにした。――池澤夏樹さん推薦!

聖書の日本語訳で初めて登場した言葉〈聖書語〉は、どのように日本語として定着していったのか。「福音」「聖霊」「異邦人」「栄光」「悔改め」など約100語について、近現代のベストセラー60冊から用例を採り、聖書の言葉の普及から、キリスト教が日本人の精神世界に与えた影響を探る。

目次

序篇 聖書の日本語訳略史

本篇 日本語になった聖書語

 1 新約聖書の聖書語

 2 旧約聖書詩篇の聖書語

結び 日本語になった聖書語の特徴

付篇 主要参考作品の著者一覧

索引 聖書語/聖書/人名

 

著者紹介

鈴木範久(すずき・のりひさ)

1935年生まれ。専攻・宗教学宗教史学。立教大学名誉教授。近代日本キリスト教研究、とくに内村鑑三研究と聖書の日本語翻訳研究の第一人者。

著書:『内村鑑三』『聖書の日本語』『内村鑑三の人と思想』(ともに岩波書店),『内村鑑三日録』

全12巻『近代日本のバイブル』『日本キリスト教史 年表で読む』(ともに教文館),『聖書を読んだ

30人』(日本聖書協会)ほか多数。

監修:『日本キリスト教歴史人名事典』(教文館)。編集:『内村鑑三全集』全40巻(岩波書店)ほか。

翻訳:内村鑑三『代表的日本人』(岩波文庫)など。

 

《推薦の言葉》

聖書が日本語に与えた富の目録

池澤 夏樹(作家・翻訳家)

日本人は思想を論じるのにもっぱら仏教と儒教の語彙を用いてきた。

近代になって聖書にある言葉が流入し、たちまち広まった。

聖書の言葉は抽象的である一方で比喩に満ちていて人の心に訴える。

「福音」や「復活」が聖書由来なのはわかるが、「学術」、「虚栄」、「敬虔」、「権威」、さらには「接吻」や「農夫」までが聖書の翻訳の過程で作られたと知って驚いた。

著者は近代文学の数十点の名作を調査の対象とし、さらに明治19年に大槻文彦が完成させた辞書『言海』を聖書由来とそれ以前からある言葉を分ける基準とした。この手法は見事と言うしかない。

キリスト教はこの国で多くの信者を得たとは言えないが、しかし日本語を大きく改革し、豊かにした。本書はそれを具体的に立証する名著である。

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書評