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内容詳細
エラスムスとルターの論争(1525年)500年に
宗教改革によって提起されたさまざまな論争主題のうち,「自由意志論」を,エラスムスは「解き明かし難い謎」「ただ一つの教義」とよび,ルターは「要点」 「基軸」「急所」とよんでいる.それについてエラスムスは本書後も著作を重ね,ルターは本書をいつまでも残したい自分の著作の一つに挙げている.
エラスムス:「自由意志についてより以上に解き明かし難い謎はほとんどない」.「私は,彼のただ一つの教義と格闘しよう」.
ルター:「だれにもまして,あなただけが,事柄そのもの,つまり訴訟の要点を衝いてくれた……わたしはあなたを大いに称賛する.ひとりあなただけが,事柄の基軸を見,急所を衝いてくれた.このことで,わたしは心からあなたに感謝する」.
当論争後もエラスムスは『更なる弁明書』第I書、第II書を著し,ルターの書によって批判された自身の立場を弁明した.それに対しルターは著作による反論はせず,後年,自身の著作集の計画について問われたとき「わたしとしては自分の諸著作を整えることには乗り気がしない.『奴隷的意志について』と『教理問答書』以外は,わたしの正当な著作と認めていないから」と答えている.当論争で「自由意志」を表題とするエラスムスも,「奴隷的意志」を表題とするルターも,自由意志論をキリスト教の重要教義と見なしている点で,またこの主題を生涯にわたって重視している点で,両者は一致している.
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