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内容詳細

この説教集はマタイによる福音書の講解であるが、語られる内容は多岐にわたり、自由に語られる。日本文化のこと、例えば秋田西馬内盆踊りのこと、現代日本のカルト宗教のこと、日本の精神的状況へのカウンセリングの有効なること、日本基督教団の戦争責任告白への言及、日本の家族を巡る状況や非行少女の悲しみ、日本の政治、戦時中のホーリネス弾圧のこと、ミッシオとレミッシオ(寛解)理解、ドストエフスキーの文学から芥川龍之介の小説への言及、さらには夫婦げんかのこと、(教会員が訪問すると牧師家庭としてのにこやかな雰囲気に変わるので、誰か来ないかな、と待ちわびた、という文章には思わず笑ってしまった)。また、尊敬する島隆三先生、小出忍先生、また、神学生の時に北森嘉蔵先生のエピソードが出てきて、祈り導いてくださった先生方の懐かしい口調まで耳元で響いてくるようだった。特に 62歳で召された義兄である西海静雄先生の闘病の様子や祈りの記事など、感無量だった。まさに、「寄せ来る潮の流れに流されて」、深夜の書斎で一人静まって読み進むうちに、大きな魚のお腹のうちヨナが告白したような「深海の海草が頭に絡まりつく」ような経験をした。

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