ヨナのしるし -旧約聖書と新約聖書を結ぶもの-

ヨナ書は、先行する旧約聖書諸文書のパロディーである!その特徴の一つは「まじめふざけ」。

蓄積された伝統を前提しつつ、そこに認められる従来の見方の逆転であり、選民イスラエルと非選民異邦人、内と外、信と不信の、伝統的で固定化されかねない見方に対する挑戦である。しかもこのパロディーは「まじめふざけ」を特徴の一つとする。福音書の「ヨナのしるし」は、これを意識的に受け継いだものであり、それはパロディーのパロディーと見ることもできる。神について、人間が「何ごとかを知っている」とは何を意味するのかという問いかけである。このヨナ書とヨナのしるしをつなぐ鍵は『七十人訳聖書』である。