「エイン・カレム」とは、ヘブライ語でぶどう園(カレム)の泉(エイン)を意味し、洗礼者ヨハネの両親ザカリヤとエリサベツが住んでいたユダの山里の名前です。
今日この山里には、主イエスの母マリアがエリサベツを訪問したことを記念して、カトリック教会(訪問教会)が建てられています。
そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。わたしの主のお母さまが私のところへ来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」
ルカによる福音書1章39~45節

これまでの1、2階の一般書籍売場、3階のキリスト教書籍売場に加え、4階の「エイン・カレム」では教会学校用品、幼稚園、保育園用品、冠婚葬祭用品や典礼用品等を扱っている。また、入り口付近のギャラリーでは、クリスチャンアーティストの作品を始め、エルサレムやイタリア等世界各国の美術品を展示している。「エイン・カレム」は昨年の夏、銀座の雑踏のなかで心安らぐ空間として、また世界中に向けて伝道を展開する伝道発信地にというビジョンから、故中村義治前社長(2004年12月逝去)によって企画された 。 (1997年)
入口は松屋通り側の銀座で一番古い回転ドアの奥のエレベーターで4階です。
2006年3月17日、Cafeきょうぶんかんを併設して、リニューアルオープンした当時の写真です。


ところで私はよくサイン会をするが、銀座でしたのは三年前、この旭屋書店さんだけである。作家と書店とは相性があり、私の場合よくお声をかけていただくのは、丸の内、渋谷のお店だ。OLの方が多い街ということになる。
が、教文館さんには以前からずっと一方的に好意を抱いていた。「銀座百点」に出てくる教文館さんのベストセラーに、ときどき私の本の名を見るからだ。今日び、ベストセラーリストにのるのは大変なことである。よっぽどお店が力を入れ、本の並べ方に気をつけてくださっているのだと有難い。
つい最近教文館さんへ久しぶりに出かけた。本ではない。クリスマスの行事に使うカードを、大量に買いに行ったのだ。教文館さんの一階、二階には、もちろん何度も行ったことがある。けれども四階に行ったのは初めてであった。
いやあ、驚いた。銀座の真中の一等地に、こんな空間があったとは想像したこともなかったからである。古風なエレベーターホールに立つと、戦前のビルにいるようである。階段の様子も、古きよき時代の銀座を伝えている。「教文館」という名前から無知な私も、キリスト教の本屋さんが発祥だろうと見当をつけていたが、四階には神父さんが行くような教会関係の用具の専門店がある。そして由緒ありげな法律事務所も入っているではないか。うーん、すごい。
この感動というのは、立て直す前の丸ビルの中に「ホトトギス」の事務所を見つけたときと似ている。遠い歴史のことだと思っていたものが、ちゃんとそこにあって呼吸している事実、銀座でこれを見つけることがしょっちゅうである。