『スーホの白い馬』や「スプーンおばさん」シリーズ、リンドグレーンの「ピッピ」「やかまし村」などの作品を手がけられた大塚勇三さんがお亡くなりになりました(8月18日/享年97歳)。『スーホ』は小学校の国語教科書にも載っていますし、「スプーンおばさん」はテレビアニメになりましたから、多くの方が何らかの形で大塚さんの作品に出合って大人になったと言えるでしょう。そしてたくさんの翻訳がある『長くつ下のピッピ』の中で、最も多くの方に読まれてきたのは大塚勇三訳(桜井誠・絵)の岩波書店版であることは間違いありません。
翻訳は生ものといわれます。時代を映しているため、少しずつ古めかしくなっていくものではありますが、それでも選び抜かれた豊かな言葉で翻訳されたこれらの本はこれからも長く子どもたちに読み継がれていくことでしょう。改めて大塚勇三さんのお仕事に感謝しつつ、次の世代に大切に手渡していきたいと思っています。

~大塚勇三さんの作品~
『たんじょうび』ハンス・フィッシャー文/絵 福音館書店 1400円+税
『フルリーナの山の鳥』ゼリーナ・ヘンツ文 アロイス・カリジェ絵 岩波書店 2200円+税
『小さい魔女』オトフリート・プロイスラー作 学研 900円+税
『親指姫 アンデルセンの童話1』イブ・スパング・オルセン画 福音館文庫 850円+税
『はるかな国の兄弟』リンドグレーン作 岩波書店 2200円+税
他、多数!