月間ベストセラー

6月のベストセラーの発表です。
先日、まど・みちおさんとささめやゆきさんが手がけた『くうき』の原画展が大盛況のうちに幕を閉じました。お二人がいかに力強いことばと絵を残してきているか、その軌跡は今回のランキングからも窺い知ることができます。特にまどさんの作品はあかちゃんと楽しめる絵本、子どもたちに宛てた手紙、100歳目前で答えたインタビュー内容をまとめたものなど多岐にわたります。（１位、４位、８位、15位）いずれの本にも共通するまどさんのまっすぐな精神性や思考に、自分自身もこうあらねばと背筋が伸びる思いです。

そのほかぜひ注目いただきたいものが新刊の『「若草物語」のルイザのヨーロッパ旅物語』（９位）と『くよくよしても しかたがない！』（16位）です。前者は翻訳家の谷口由美子さんが思いを込めて出されたもので、つい先日、当店で行った谷口さんの講演会ではこの本の刊行を含めたルイザ・メイ・オルコットのことをじっくりと語っていただきました。後者は以前に福音館書店から『すんだことは すんだこと』（現在品切れ）というタイトルで出版されていたワンダ・ガアグの愉快なお話。こちらは小宮由さんの軽妙な新訳で味わえます。まだお読みでない方にはぜひともおすすめの作品です！