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内容詳細

ルネサンスによりギリシア・ローマの古典に関する知識と興味が盛り上がり、古典の叡智とされる格言への関心も高まった。それを象徴するのがエラスムス(1469-1536)の『格言集』で、1500年の初版には818個の格言が収められたが、版を重ねるごとに拡充され、最終版では4151個に及んだ。人びとはこれらの格言をとおしてギリシア・ローマの古典および聖書の真髄を身につけようと愛読した。

当時の広告文には<古くて、最も有名な格言の選集、あらゆる話や文章に美しさと非凡さをつけ加えるのに効果てきめん>と宣伝された。エラスムスは格言の意味を説明し、詳細な解説を加えて、古典文学とキリスト教の教えが一致することを示した。

「戦争は体験しない者に快い」では彼の平和論が扱われ、「アルキビアデスのシレノス像」では、外見は野獣面のシレノス神がその心は黄金の神像であるという、人間の内面と外面との矛盾を修辞学的に表現し、「ゆっくり急げ」はケーベル博士が座右の銘としたことでも有名である。本書はそれら代表的な格言を選び、エラスムス『格言集』の大略と思想的特徴を紹介する。

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