teien東京子ども図書館が刊行しているレクチャーブックスのシリーズ、予告から数か月遅れて『庭園の中の三人/左と右』が入荷しました。これは、1990年と1994年にマーシャ・ブラウンさんが来日された折りに開催された2つの講演会の講演原稿全文が翻訳されたものです。「庭園の中の三人」は、『100まんびきのねこ』のガアグ、『ちいさいおうち』のバートン、『もりのなか』のエッツについて語られたもの、「左と右」は翻訳された松岡享子さんの言葉を借りれば「自らの仕事や人生に対する姿勢・態度」について「私たちと分かち合おうとしてくれた」ものです。とても簡単にご紹介できるものではありませんが、いずれも深い洞察と示唆に満ちた内容です。一度読んだだけではなかなか頭に入りきらないので、ぜひ手元において何度も読み返したいと思いました。日々大量に出版される絵本を見ながら「これは本当に子どもの心に喜びをもたらす作品なのだろうか」という疑問が頭をよぎる―そんな時には、足元を見直すためにもぜひこの本を開いていただければと思います。

『レクチャーブックス◆マーシャ・ブラウン 庭園の中の三人/左と右』(東京子ども図書館刊/1,260円)

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