以前“岩波の子どもの本”シリーズとして出版されていて、最近品切れになっていたモーリス・センダックの『そんなとき なんていう?』と『そんなとき どうする?』の2点が、新装版として再販されました。大きさは子どもの本より少し大きめになっています。
ちょっとありえないシチュエーションの中で真っ当な言動がなされるところに、なんともいえないおかし味のあるこの2冊は、大人でもくすっと笑ってしまうようなウィットにあふれる作品です。大真面目に「こんなときはこうしましょう」と正攻法で行くのもいいけれど、何か伝えようというときには笑いの要素は必要です。大人もこの“わかきしんししゅくじょのための れいぎさほうのほん”に倣って、正しい礼儀作法を身につけましょう。
では、『そんなとき どうする?』から、問題をひとつ。「きみが としょかんで ほんを よんでいると、とつぜん、とんがりビルに なげなわを かけられた。とんがりビルは、「つかまえたぞ。いますぐ おれさまの かくれがへ しょっぴいてやる。さあ、こい!」と すごむ。 そんなとき、どうする? 」――さぁ、あなたなら、どうしますか?
『そんなとき なんていう?』セシル・ジョスリン文/モーリス・センダック絵/たにかわしゅんたろう訳/岩波書店 1000円+税
『そんなとき どうする?』セシル・ジョスリン文/モーリス・センダック絵/こみやゆう訳/岩波書店 1000円+税