tcl151
東京子ども図書館の季刊誌「こどもとしょかん151号」が入荷しました。今号の特集は2016年に生誕100周年を迎える瀬田貞二氏について――連続2回の第1回目として1959年に開かれた“瀬田文庫”に関連した記事と、松岡享子さんの「瀬田貞二著 『絵本論』をすすめる」(「図書館雑誌」1986年8月号再録)の2つが紹介されています。前半の記事では瀬田さんが家庭文庫研究会の会報に書かれた文章が掲載されているのですが、子どもたちをとてもよく観察していることが伝わるもので、子どもと本、双方への愛情が感じられます。「深い楽しみにおののくような経験が、一度はわけてやりたいものです。」という瀬田さんの言葉が特に胸に迫りました…。そして松岡享子さんの『絵本論』についての考察からは、子どもの本に関わる者としていつも立ち返るべき原点がここにあることを、改めて教えられました。瀬田貞二さんが亡くなられてから40年近くがたちますが、子どもと本に向き合うときに常に忘れてはいけない姿勢を『絵本論』や『幼い子の文学』は今も、私たちに語りかけているのです。

「こどもとしょかん 2016年秋 151号」710円+税
※季刊誌に紹介された本は、ナルニア国店内奥のコーナーでお手にとってご覧いただけます。