岩波少年文庫の1月の新刊は『ハックルベリー・フィンの冒険』(上下巻)です。これまでもいろいろな翻訳が出ていますが、千葉茂樹さん訳のハックは今までになく読みやすく感じました。ハックの一人称で語られるこの話、自分を何と呼ぶかで全体の印象もかなり変わってきますが、今回のハックは“ぼく”です。これがとても新鮮で自然!千葉さんのあとがきには、なにより心がけたこととして「純粋な冒険物語として、ハラハラドキドキしながら、つぎつぎにページを繰って読んでいただけるものにしたい、ということでした」と書かれています。著者のマーク・トウェインが冒頭ではっきりと警告しているように、この物語はとにかくハックの冒険に心を躍らせて読むことが一番なのです。ぜひ構えずに物語世界に飛び込んでください!(上下巻ですけどね・笑)
『ハックルベリー・フィンの冒険(上/下)』マーク・トウェイン作/千葉茂樹訳/岩波少年文庫 各760円+税