(一財)大阪国際児童文学振興財団(※旧大阪国際児童文学館)で行われた講座をまとめた冊子3点の取扱を始めました。いずれも一般の書店ではなかなか見ることのないものですので、ぜひお手にとってご覧くださいませ。

1 『ドイツの子どもの本の魅力~ブッシュ、エンデから現在まで~』(800円+税)
上田真而子さんの最後の講演録です。亡くなる1ヶ月前に大阪府立中央図書館国際児童文学館でなさったお話をまとめられたもので、上田先生最後の声としてとても貴重な記録といえます。私自身も上田先生の残された大切な言葉を作品とともにかみしめる1冊となりました。中では先生ご自身の翻訳された様々な作品についてふれておられるので(『おとうさんとぼく』のプラウエンについてもあり!)、ナルニア国のこの夏の少年文庫フェア平台と一緒にご紹介しています。

2 『アメリカと日本の子どもの本~その関係をさぐる~』(1200円+税)
三宅興子さんが昨年3回に渡って行った連続講座の記録(報告集)です。「アメリカの児童書の歴史:アメリカから贈られた子どもの本から考える」「アメリカから日本へ絵本がやってきた:“岩波の子どもの本”と“世界傑作絵本シリーズ”」「『ちびくろサンボ』がたどってきた道:イギリス・アメリカ・日本」の3部佼成となっています。日本における絵本受容の歴史はあまり知らないことだったので、とても勉強になりました。『ちびくろサンボ』に代表される差別の問題についても、まだまだ考えていかなくてはならないと思いました。

3 『タンザニアの絵本作家 ジョン・キラカ 自作を語る』(1200円+税)
2017年の夏にタンザニアの絵本作家ジョン・キラカさんが来日され、各地でお話を聞く会が催されました。ご講演の様子はカラーの写真入りで紹介されています。子ども参加のワークショップの様子も合わせて報告がなされ、小学生が感じたままを描いた自由でカラフルな絵が23点紹介されています。