今年刊行されたクリスマス絵本の中でイチオシの1冊はこちら! といっても1983年に一度出版されていたものですが、長く品切れになっていた絵本が版元を変えて新たに出たものです。市川里美さんの絵が美しい『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』ーーご記憶の方もいらっしゃるでしょうか。
クリスマスは心躍るお祝いの季節、でもその祝い方は国によって様々です。この本では世界18カ国のクリスマスの準備と当日の様子やそれぞれの国の風習が、素敵なイラストと文章で綴られます。「クリスマスは、わたしたちの住んでいる世界が平和になることをねがい、すべての者がしあわせになるようにいのる日でもあるのです。」という最後の言葉が、世界中に多くの争いがある中で平和にクリスマスを祝うことのできる私自身の幸せを改めて感じさせてくれました。読むたびにじんわりと幸せな気持ちが心を満たす素敵な絵本を、今年のクリスマスにはぜひオススメしたいと思います!

 

また、大人の方にはこんなおしゃれな本もオススメです。レミー・シャーリップの『雪がふっている』は全ページ真っ白な場面が続きますが、そこには心の目でしか見えない美しい風景が広がっているのです。激しく降りしきる雪の中で犬と戯れるエスキモーの子ども、イグルーの中の美味しそうなお昼ご飯……一つ一つの光景をどれだけ生き生きと描き出せるかは、あなたのイマジネーション次第! 手のひらにのるほどの小さく美しいこの絵本は、贈る人も贈られる人も幸せにするステキな作品です。(取り扱いはクリスマス期間限定となります)

『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』市川里美 画/R.B.ウィルソン文/さくまゆみこ 訳/BL出版 1800円+税
『雪がふっている』レミー・シャーリップ 作/青木恵都 訳/タムラ堂 1000円+税