昨日・今日で発売となった岩波書店の新刊のご案内です。
1冊はリンドグレーン・コレクションの名探偵カッレシリーズ第2巻『地主館の罠』――前作『城跡の謎』から1年後、再び巡ってきた夏休みにカッレ・アンデッシュ・エヴァロッタの3人はまたしても殺人事件に巻き込まれます。『城跡の謎』では鋭い推理と観察眼で犯人を見事捕まえたカッレ、さて今回の事件ではどのような活躍を見せるのでしょうか……。前作よりボリュームアップした第2巻をどうぞお楽しみください。

岩波少年文庫でもシリーズの第2巻が刊行されました。クラウス・コルドンの「ベルリン3部作」の第2巻『ベルリン1933(上下)』です。第1作は第1次世界大戦終了直後のドイツが舞台で主人公はゲープハルト家の長男ヘレでした。それから15年がたち、第2巻の主人公はあの時赤ちゃんだった次男のハンスに移ります。1933年といえばヒトラーが政権をとり、歴史の大きな転換点となった年です。時代の真ん中にいた人(=15歳のハンス少年)は、何を考えどう行動したのでしょうか。
ひこ・田中さんの帯のコメント「大人には痛いし、読むには覚悟がいるが、その価値はある」――本当にその通りだと思います。新型コロナウィルスの感染が世界中に広がり、それによって政府に大きな力が与えられつつある今だからこそ、この物語が私たちに伝えるメッセージを痛くても受け止めなければならないのではないでしょうか。
★少年文庫2冊はレターパックライト(370円)でお届けできます。ご希望の方はご連絡ください!

『名探偵カッレ 地主館の罠』アストリッド・リンドグレーン作/菱木晃子訳/岩波書店/2100円+税
『ベルリン1933(上下)』クラウス・コルドン作/酒寄進一訳/岩波書店/いずれも1200円+税