世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスのニュースですっかり影を潜めてしまいましたが、それと同じくらい私たちにとって重要かつ喫緊の課題は温暖化をはじめとする地球環境問題です。スウェーデンの17歳の少女グレタ・トゥーンベリさんがたった一人で始めた気候変動問題を訴える活動“未来のための金曜日”や“気候のための学校ストライキ”は、大きなうねりとなって世界中の若い人たちを動かしました。グレタさんってどんな人なの? どうして環境問題に関心をもって活動を始めたの? などの疑問に答える児童向けの本が今年になって続々と出ていますし、まだこれからも刊行が続くようです。ぜひ注目してください!

グレタさんの行動の根拠となっているのは科学的に証明されている気候変動です。彼女は、地球とその上に暮らす生命の未来への危機感を誰より強く持ち、現状を変えるための具体的な行動をおこしました。でも目の前に見えないものを想像して自分の身に引き受けるのは難しいことに違いありません。ですから私たちは、それを知るために本を読むことがとても大事なのです。
未知のウイルスがかつてよりも頻繁に人類を脅かすようになった背景には地球環境の破壊があるともいわれています。目の前のコロナの恐怖に負けず、今だからこそ目を遠くに向けて物事の全体を見るようにしたいものです。

伝記絵本『わたしたちの家が火事です 地球を救おうとよびかけるグレタ・トゥーンベリ』ジャネット・ウィンター作/福本友美子訳/すずき出版 1500円+税
伝記『グレタのねがい 地球をまもり 未来に生きる』ヴァレンティナ・キャメリニ著/杉田七重訳/西村書店 980円+税
『グレタと立ち上がろう 気候変動の世界を救うための18章』ヴァレンティナ・ジャンネッラ著/マヌエラ・マラッツィイラスト/川野太郎翻訳/岩崎書店 1800円+税
→この本には2019年9月・国連気候変動サミットで行ったグレタさんの演説が全文掲載されています。