2月に出た本なのでもう新刊とは言えないのですが、5月3日の憲法記念日に近いこともありご紹介したいと思います。憲法学者の木村草太さんが小学生の子どもたちに向けて書いた“わかりやすく楽しい”がコンセプトの「憲法の本」です。毎日小学生新聞編集部の依頼で始まった連載企画が本になったものなので、短い読み切りで確かに全然難しくはありません。逆に憲法の本とは思えないほどずんずん読めてしまう不思議な本です。時々、木村さんの例えが突拍子もなくてびっくりすることはありますが、笑いながらフムフムと思う場面も多々あり「憲法の本を読みながら笑っている自分って……」と、我に返っておかしくなりました。
「身のまわりにある話題から、憲法について学んでいこう」「日々感じていることを、憲法を使って考えてみよう」(いずれも帯より)という一見まじめで、でも肩に力の入らない内容(と書き方)が魅力の、タイトルもおかしい『ほとんど憲法』、ぜひ気楽に面白い本を読むつもりでどうぞ! 朝倉世界一さんの漫画も楽しいですよ。
『ほとんど憲法 小学生からの憲法入門(上・下)』木村草太 著/朝倉世界一 絵/河出書房新社 各1500円+税