クリーンヒット ⚾ フィクション
『業平センパイの読書会 堤中納言物語』
花形みつる 作
偕成社 刊
1650円(税込)
224ページ
対象:小学校高学年から

過去の常識(フツー)は未来の非常識ーーせつない恋から、かわいいコメディまで千年前の心にふれる古典小説!

ムダに美形(!)と評判の古典研究部の業平部長。部員集めのための読書会を企画したものの参加者はたったの二人でした。なんとか入部してもらおうとします。

古典の世界へのアプローチとして大変おもしろいと思いました。こんな方法があるのか! と膝を打ちました。古典は難しい、と二の足を踏んでいる人も気軽に親しめそう。特に業平センパイの描写がおもしろくって、読みながらにやけてしまいました。ムダに美形っていう風貌とのギャップが最高(笑)!
新入部員の清宮さんと村崎さん、彼女たちのリアクションと感想が実際の読者と重なっているようで、すんなり古典作品の世界へ入れるしかけになっています。
取り上げている作品が短編で、お話の趣向がさまざまなのもこの構成にあっていると思いました。まあ、どんな作品でも合う構成ではないかもしれないけど、業平センパイの奮闘をまた見てみたいなあ(笑)。(←続編を希望します)

昨年の大河ドラマで古典文学に興味をもったけど、いまいち何をどう読んでいいのか、なんて人にもおすすめです。
まずは本書から手にしてみてはいかがですか。学校の古文の授業が退屈、って人に本書を読んで楽しさを感じてほしい!

1991年『ゴジラの出そうな夕焼けだった』(河出書房新社、現在品切れ)でデビューした作家の最新作。このときのおもしろさは今も忘れられない。今も新作が読めることが嬉しいです。 (す)

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