【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2000年5月号)
『こんにちは、ビーバー』
佐藤英治 文・写真
福音館書店 刊
2007年1月20日 発行
1430円(税込)
40ページ
アラスカの美しい自然のなかに生きるビーバーたちの暮らしを臨場感あふれる写真で紹介!
ビーバーに魅せられた著者が、アラスカの大自然のなかに暮らす様子を丹念に追った1冊です。
木をかじり、ダムをつくる、おもしろい生態をもった生きものですが、動物園で見るくらいではわからないことがたくさんあります!
わたしも初めて知ることばかりでした!
ビーバーの巣は、枝を組んで泥で固めてあり、人が乗ってもびくともしないそうです。本編にも大きなクマが巣の上に飛び乗った写真がありますが、ビーバーの巣はくずれず、中にも入れず、クマが暴れている間に当のビーバーは水中へ逃げてしまったとか。
山を登り、木を倒し、枝をかみ切って巣穴に運ぶーー。そのさまは雄々しく、力強いものです。こんなに勇ましいとは思いもしませんでした~。
また水に潜ることが得意な彼らの体はそれにうまく順応していて、後ろ足にはアヒルのような水かきがついていたり、水に潜ったときには耳と鼻をピタリと閉じられるようになっているんですって! しっぽには毛が生えておらず、魚のうろこのような模様があります。そしてその平たい尾は、船の舵の役目をしているそう。
生態についての記述もたくさん。
一番の特長であるビーバーの巣とダムの断面図もあります。しかし、どのような進化の過程でダムをつくるようになったのか、不思議です。
またビーバーの毛皮をめぐって起きた歴史についても触れています。20世紀になってアメリカ合衆国やカナダは法律を作って、ビーバーの保護をはじめました。今では少しずつビーバーは増えてきているといいます。「ビーバーなんか、いないほうがいい」と考える人もいるそうですが、「ビーバーは動物たちの住みやすい環境をつくる名人だ」という人もいるそうです。
自分の体より大きな木の枝をくわえ、泳ぐ姿は愛らしくみえますが、生きるための行為であることを知ると、単純に「かわいい!」とだけは言ってられませんね。わたしたちは、彼らがこれからも生きていける環境を残していく責務があるといえましょう。そしてそれは、人間が暮らしよい地球でもあるはずです。 (す)
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