【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2002年7月号)
『石の中のうずまき アンモナイト』
三輪一雄 文・絵
松岡芳英 写真
福音館書店 刊
2010年2月10日 発行
1430円(税込)
40ページ
化石発見!太古の海のふしぎな生物
土の中から見つかる”うずまき石”=アンモナイト。著者はアンモナイトに魅せられ、日本中でアンモナイトを探しています。実は日本はアンモナイトの宝庫。日本中いたるところでアンモナイト化石は発見されています。とはいえそう簡単に見つかるものではありません。化石を見つけるためには本やインターネットで採れる場所をリサーチし、その場所の川原や崖の石に、貝など海の生物の化石がないか調べます。海の生物の化石があるということはその場所は太古の昔は海であり、アンモナイトの化石が存在する可能性が高いからです。地道な努力が必要な発掘ですが、それでもあきらめずに探し続けるのは、発見の感動があるから。石を割った瞬間のアンモナイトはべっこう色をしていて本当に美しいのだとか。空気に触れるとすぐに色あせてしまうため、その美しさを目にできるのは発見者の特権です。見てみたいものです…!
ところで、アンモナイトとはどういったものなのでしょうか。昔の人はへびであったり、神であったりと考えていました。古代エジプト人は太陽の神アモン・ラーの角が石になったものと考えました。「アンモナイト」という呼び名はここからきています。研究が進み、今ではアンモナイトは太古の海に生息していた頭足類でイカやタコの仲間なのだとわかっています。体が殻に包まれているので、一見すると貝の仲間のようにみえますが、そうではないのですね。
アンモナイト化石は日本だけでなく、世界の多くの場所で発見されています。つまり大昔には世界中に生息していたということですが、約6500万年前に絶滅してしまいました。ですが著者はそこに疑問を抱いています。ずっと昔に種が絶えたと思われているアンモナイトが、今もこの海のどこかで生き続けているかもしれないなんてロマンがあります。そして、こんなに研究が進んでいてもなお、人間が知らないことはまだまだたくさんあるのだということに思い至るのです。(ほ)
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