クリーンヒット ⚾ フィクション
『あくびなかまとはらっぱで』
小島敬太 作
鬼頭祈 絵
偕成社 刊
2025年8月 発行
1430円(税込)
94ページ
対象:小学校中学年から

あなたも「あくびなかま」になりませんか?

なんともおだやかな心地にひたれるおはなしの本です。まずタイトルに「あくび」って…! あくび、なんて言ってもいいの?
でも、あくびしながら読んでも、誰にも叱られない。叱られないどころか「ようこそ!」と迎え入れてくれそうなかんじがします。いや「あくびあをこうかんした~、あなたとわたし~、もう~、ともだちさ~」とラクダが歌うように言ってますので、あくび大歓迎! な本なのです。

子ヒツジが風の涼しい、春の昼下がり、ふしぎなにおいをかぎました。今まで食べたどんな草より、甘いにおいです。そのにおいに誘われて、風が吹いてくるほうに歩き始めました。たどり着いたのは、原っぱです。
その原っぱは、バイソン、ラクダ、キリンなど、ひづめの先がふたつに分かれた「ぐうていもく」だけが来られる特別な場所だというのでした。
そこでは、みんなでお昼寝をしたり、おいしい草を食べたり、とにかくのんびり過ごすのです。

短いおはなしが11編、収められています。どのおはなしもクスクス笑いが止まらないようなおかしみで溢れていて、なんとも幸せな読後感に包まれます。
なかでも「たびのラクダ」「ラクダそっくりあそび」「じゃがいものきもち」が特にお気に入り。ぐうていもく、の仲間のはなしになぜ、じゃがいも?って思った方は、ぜひとも本書を手に取ってください~。

ほとんど歌のような文章の連続で、このことばのリズム感は作者がミュージシャンであることにも所以が? と思えます。
読んでやれば、未就学児でも楽しめそうな世界観です。劇にしたら、楽しそうです。

見返しも前と後ろで工夫されているので、これは手にしてほしい! (す)

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