クリーンヒット ⚾ ノンフィクション
『彼女たちに守られてきた』
松田青子 著
中央公論新社 刊
2025年3月25日 発行
1980円(税込)
219ページ
対象:高校生から

石井桃子、大島弓子、長くつ下のピッピ……彼女たちが教えてくれた私の人生を守る方法

新聞や雑誌などで反響をよんだ10年分のエッセイをまとめたもの。初回掲載の媒体が違うので、文章の長さやタッチに多少ばらつきがありますが、読んでいてそれはあまり気になりません。比較的、短いものが多いのでどこから読んでもよい気軽さが〇。

大好きだった児童文学やドーナツの思い出や、ジェンダーやフェミニズムの視点から書かれた世の中への違和感など、軽快なタッチでありながら芯のある文章は読後感が痛快! 「そうなのよ~!」と膝を打つものが多かったです。
なかでも特に「おお!」と声をあげそうになったのは「増えていく銀座の思い出」と題した文章。
なんと、ナルニア国に来店されたというくだりには驚きました! お会いしたかもしれない? とちょっとミーハーな心地にもなりつつ、楽しんでくださった様子を綴られていてホッとしました(笑)。ーー今度いらっしゃることがあれば、ぜひお声かけください。

女性作家が書くことで女性を守ってきた、ということがわかります。読書とはそういうものなのかもしれない。意識しないうちにものの考え方や見方を知らず知らず身につけていくことってありますね。血肉になるっていうのかなあ。
石井桃子をはじめとする児童文学への言及も多いのは、親しみを覚えました。

初めてこの著者の本を読んだのですが、他の著作も手にしてみたくなりました。検索かけて出てきたタイトル見ているだけで「おもしろそう」と思いました。
女性は共感しやすいだろうと思います。が、だからこそ! ぜひ男性にも手にしてみてほしい。 (す)

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