クリーンヒット ⚾ フィクション
『まるみかん大一番』
まはら三桃 作
丹地陽子 絵
講談社 刊
2025年6月30日 発行
1760円(税込)
271ページ
対象:小学校高学年から

みんなの図書館を守れ!--図書館を愛するすべての人へ贈る物語

「まるみかん」ってなんだろう? とまず思いました。印象的なタイトルですね。それは本書に登場する丸美市立みんなの図書館、の通称です。この図書館をめぐる物語。

近くの小学校に通う研心(けんしん)がこの図書館が閉館するという張り紙を見たところから、物語は始まります。研心にとって、「まるみかん」はなくてはならない場所だったからです。
というのも、図書館きっかけで大相撲が好きになり、こまめに相撲について調べるのが日常になっていたから。
創設50周年を迎え、一昨年には大きなイベントまで行われたというのに!
研心のほか、クラスメートの無口な広也、お調子者の銀河が「まるみかんを守る会」を立ち上げます。
閉館に反対する利用者たちは、力をあわせて声をあげることになりました。果たして、閉館を阻止することはできるのでしょうかーー。

実際、どこかで同じような出来事が起こっていそうなお話です。
市民の声が行政にどこまで届くのか??? 研心ほか、子どもたちの活躍が実に頼もしく感じました。政治のしくみを上手に物語に組み込んでいて、著者の筆力に拍手です。

主人公をはじめ、登場人物のキャラがそれぞれたっていて、皆、魅力的でした!
個人的に相撲好きな研心が気に入りました。いいやつだな~って。こんな子、近くにいたらおもしろそうです。 (す)

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