ベスト👍 詩(絵本)
『そらのさんぽ』
石津ちひろ 詩
荒井良二 絵
岩波書店 刊
2025年8月 発行
定価1540円(税込)
40ページ
対象:幼児から

よんで、ながめて、うれしくなる詩集絵本!

気球に乗った子どもが二人、青い空を飛んでいます。タイトルの文字も風に吹かれて踊っているようです。
詩人の石津ちひろさんが、ふと目にした景色や、その時芽生えた気持ちを短く優しい言葉で20編の詩にしました。心地よいリズム、繰り返されるフレーズは、思わず声に出して読みたくなります。20編は「はなのなまえ」「まねきねこ」「そらのさんぽ」の3パートに分かれています。一つ一つは独立した詩なので、お気に入りを見つけることもできますし、それぞれの詩が相互に響き合っているので、あの詩とこの詩のつながりを自分なりに見つけて楽しむこともできます。詩人の自由な心に導かれて、私たちも束の間そらのさんぽを楽しむことができるのです。
荒井良二さんは個性的な画家で、どんな作品でもカラーがはっきり出ていますが、この本に関しては具体的な形を描き込み過ぎない抽象と具象のバランスが絶妙です。そしてページを開いてみて感じるのは、石津さんの詩(文字)が入って初めて完成するように絵を描かれたのではないかということ。絵に激しい主張はないけれど、この絵がなければ寂しく感じられるような、言葉とイラストのコラボレーションがこの本を完璧にしているように思われます。何度もページをめくりたくなる、素敵に心地よい詩集絵本です。(か)

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