クリーンヒット ⚾ 絵本
『ひぐま』
あべ弘士 作
ブロンズ新社 刊
2025年9月25日 発行
1760円(税込)
32ページ
対象:小学校低学年から
ひぐまのあかちゃんは、冬眠中にうまれるーー野生のいのちの神秘を描く!
秋です。山は赤や黄色に染まって輝いて、森はドングリやキノコでいっぱいになりました。ひぐまは木の実などをたくさん食べています。
やがて雪が降りはじめ、あたりは一面しずかな銀色の世界に。来る日も来る日も雪は降り続け、森はたっぷりの雪をかぶりました。ひぐまの姿が見えなくなったと思ったら雪の下から、声が聞えます!
ひぐまのあかちゃんです。
冬眠中にひぐまはあかちゃんを産み、育てるのです。
あかちゃんは暗いあなのなかで、かあさんのおっぱいをたくさんのんで大きくなります。やがて春になり、光あふれる外の世界へーー。
秋の野山から雪の降る冬の世界の描写、主人公のひぐまをはじめとする生きものの姿の描写はさすが! 大型の場面に絶妙な構成で、一気に自然のなかへ没入させられます。あなのなかにいるくまの親子の姿なんて愛らしくて、たまりません。
ひぐまのことをよく知るためのリーフレットが挟み込まれていて、大人にはこれ、とってもよいです。
でも、ここに書かれていることを絵本のテキストにうまく落とし込めていられると、子ども読者には(ま、大人もですが…)よかったなあと思います。
本文に少し言葉足らず的な箇所があるのが、もったいない。原画を見てみたい、と思わせる力作の絵なので、余計にね。
絵本は絵の力がないと成立しないのは当然ですが、テキスト(文章)の役割も大きいことを再認識させられました。(なんかエラソーね、すみません!)
また、クマ出没のニュースをよく聞く昨今。クマのみならず自然とひとの関わりについて考える一助にもなりそうです。 (す)
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