【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2015年8月号)
『しっぽがない! コアラとヒトのしっぽのなぞ』
犬塚則久 文
大島裕子 絵
福音館書店 刊
2018年6月10日 発行
1430円(税込)
40ページ

コアラとヒトにはどうしてしっぽがないの?

りくのうえ学校の授業では、いぬやま先生が骨のある動物の特徴は「しっぽがあること」だと生徒たちに教えています。すると、コアラのふくろいくんとヒトのあだちさんが「ぼくたちにしっぽがないのはなぜですか?」と質問しました。これはいぬやま先生にもわからない難問です。<骨のある動物に、しっぽがないものがいるのはなぜか> 教科書にも図鑑にも答えの書いていないこの問題を調べるため、ふくろいくんとあだちさんはまず、友だちやご近所さんにしっぽの使い方を聞くことから始めました。そしてついに海の中にしっぽの問題を解くヒントがあるかもしれないことにたどり着きます。

物語仕立てで“しっぽ”を起点に進化のバトンリレーを考えるユニークな作品。
「今の動物の形をかんがえるときには、昔はどうだったか、その形がうまれたところまでさかのぼってみることね。それからこんどはながーい時間の流れにそって、どううつりかわってきたのかをみます。そしてさいごに、なぜそういうふうにかわったのか、わけを考えてみて」(30p)
文中のこの言葉は、科学のみならず、わからないことを探求するとき大切にするべき視座を読者に与えてくれます。今だけを見ていては物事の全体や根本を理解することはできません。そして、見つけた答えの先にはさらなる謎も出てきますので、「しっぽの問題」も実はまだまだ未解決の部分が残されているのです。最後のページにあるいぬやま先生からの宿題を、私たちも一緒に考えてみませんか。(か)

★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。

お問い合わせフォームへ