【たくさんのふしぎ40th】🤔(1993年3月号)
『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』
本川達雄 文
あべ弘士 絵
福音館書店 刊
2024年3月1日 発行
1430円(税込)
40ページ

ゾウより早く一生を終えるネズミは、かわいそう!?

すさまじく大きなガリバーが、小人国に流れつきました。巨人に食事を用意したいけれど、いったい何人分準備したらいいのでしょう?あなたなら、どのように計算しますか?ーー結論から言うと、答えは「185人分」。なぜ、この答えが導き出されるのか、その理由を考えていくと面白いことがわかりました。 体重と食べる量のあいだにはきまった関係があり、体重がふえると食べる量もふえます。でも、食べる量は体重のふえ方より多くはふえないので、ゾウはネズミより10万倍重いけれど、食べる量は約3000倍。よって、ゾウは「小食」なんだそう! 知っていましたか? 大きい動物ほど、体重のわりには食べないのです。その反対に、小さいものは、体のわりに大食らい! 食事と食事のあいだの時間も短いので、しょっちゅうえさを食べていることになります。

では、大きさによって、一生を過ごす「時間」の経過は変化するのでしょうか。
体重がふえるにつれて、時間はゆっくり長くなります。そのため、ネズミの一生は短いけれど、ゾウは長い一生をゆったりと送れます。
でも、一生のあいだに心臓がドキンドキンとうつ回数は、ゾウもネズミも「同じ」です。もし、それぞれの動物の心臓が1回うつ時間を基準にすれば、ゾウもネズミも、まったくおなじだけ、生きて死ぬことになります。
つまり、時間を基準に考えると、ネズミはゾウと比べて早く死んでしまいますが、動物の心臓が1回うつ時間を基準として考えると「早く死んでしまうネズミはかわいそう」だなんてことはないのだと、本書を執筆した本川さんは言っています。
ネズミにはネズミの時間、ネコにはネコの時間、イヌにはイヌの時間、ゾウにはゾウの時間。動物たちには、それぞれにちがった自分の時間があり、それぞれの動物は、それぞれの時間の中で生きているのです。(み)

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